キナバル山登頂記
キナバル山が地震に見舞われた前の2012年に友人と二人での登頂記である。東南アジア最高峰4.095mと富士山より高いが、1.963mからの登山のため、2.132m登ることで達成できる。一般的には、キナバル公園からのコースのピストンだが、めったに行けるものでないことから、下山は利用者が少なく自然がまだ残っているとされるマシラウルートを組み入れたプランがあり、価格・信用がありそうなジスコ・ボルネオ旅行社を利用したが、大変満足したいい旅行となった。
キナバル山は、マレーシアのボルネオ島にあり、コタキナバルという都市の世界遺産キナバル公園内にある。公園面積は淡路島より大きい753k㎡と広く、一部の散策できる公園内散策道と登山道だけが開放されている。登山は、ガイド付き入山システムのため、勝手に入山できない。このため、以前富士山に登ったが、無制限入山システムによる大縦列登山と違うこと、日本アルプスも同様だが、一つ布団に2人といったすし詰め宿泊でなく、簡易2段ベットの一つが与えら、快適な登山システムとなっている。8月に行ったが、赤道直下の場所であるが高原気候で20~30度前後と誠に過ごしやすく、午前は晴れ、午後スコールといった感じで、山頂付近は0~10度で降雪も無い。
マレーシアは、長年イギリスの支配下であったこと、連邦加盟国になっていることから比較的に治安も良く、貧困の差はあるが、工業化、IT化で東南アジアの優等生と言われる国で、首都クアラルンプールはマレーシア半島にあり、ボルネオ島はマレーシアのほかインドネシア、ブルネイの3国からなり、サバ州の首都がコタキナバルで、クアラルンプールに次ぐ大都市とされる。
島は、未開のジャングルで多くが構成され、オランウータン、テングザル、アジアゾウ、ボルネオヤマネコ、ワニ、オオトカゲ、イグアナ、多くの鳥などがいるほか、最大花とされるラフレシアや各種のラン、ウツボカズラが生息し、それも一部の発見とされる。
(旅行記)
■1日目 弥次喜多コンビボルネオに渡る
早期ネット予約で成田駅そばの「アパホテル」(3.900円)で友人と合流前泊し、翌朝10:30発マレーシア航空で出発。英語もほとんど話せない弥次喜多コンビ道中記の始まりである。
機内でビールを飲みながら、上空の天気よく、どこかわからないが美しい島が見え、いい気分で16:45分クアラルンプールに到着。乗り継ぎ時間はあるものの空港~街中間は75kmと遠いので、空港で換金し、土産物屋を覗きながらレストランで一献。30分ほど遅れたが、22:25分にコタキナバル空港に到着した。旅行社の現地案内人の車でホテルに11時頃到着。早速祝杯をあげるべく付近にコンビニか酒屋を探したが、宗教上からマレーシア人は酒を飲まないとのことで、食料品店にようやくあったビールで軽く乾杯就寝した。
■2日目 スコール、ドリアン臭体験、世界最大花「ラフレシア」は蕾だけ
旅行は3食ミネラルウオーター付きで、現地担当者の車で移動のため、酒や土産以外は金が必要ない。朝からスコールで、サンデーマーケットも人がいなく休店状態だったが、屋台でコーヒーと果物を購入し、宿泊地キナバル公園に向かった。途中道端で強烈な匂いの果物「ドリアン」を購入したが、臭いが強烈すぎて、結局ちょびっと味わい、ほとんど宿泊コテージで廃棄した。地域の段々畑や山中部落を遠くから眺めながら、よくあんな山中に住んでいるものと感心しながら、余裕時間があるので追加料金でラフレシアを見学することとなった。現地に着いたら好天続きで花が萎んでしまったという。だまされたのか?と思っていたら色々現地人から情報を集め、近くに蕾のものならあるという。道から少し入った場所にキャベツのような塊の蕾が数個あった。やはり開花と違い今一つ迫力がなかったが、蕾だからと追加料金50rmはいらないという。
キナバル公園に着き、邪魔な荷物は到着口まで預かるという。20畳間程の部屋があるコテージからはキナバル山が見えるロケーションだ。まだ3時頃と夕食まで間があるので植物園を目指したが、閉鎖されていたので、散策道人気コース1番と2番を散策することとした。ジャングル的雰囲気と小沢、ウツボカズラなど楽しみ、早めのレストランでまたまたビールで一献しているうち、外人さん方で混雑しだした。料理は中華風が多いバイキングで、なじめなかったのは現地米のパラパラチャーハンのような炒めご飯。ほろ酔い気分で夜風に当たりながらコテージまで10分ほど歩き、早めの就寝となった。
■3日目 登山開始。女性や子供ポーター多し、リスが休憩所ウロウロ
登山日和の晴天。1人5kg以内の荷物はポーターが背負うこととなっているが、2人で8kgくらいだろうか? 日本語は話せない英語と現地語の地元ガイドが、自分の荷物と2人分の荷物を背負って稼ぐらしい。
赤土と石段、地元ではアイアンウッドと呼ぶ堅木の手すりが時折付いて歩きやすい登山道である。1キロ毎ほどにシェルターと呼ぶトイレと東屋があり、餌付けされたようなリスが近くに出没する。高山に弱い私は持参のダイナモックスという薬を飲んだが途中息切れ状態。ポーターは女性や子供が多く、さすが平気のようだ、たくましい。3千m以上になるといつも変調をきたす症状が弱く、徐々に体が慣れてきているようだった。思ったほどの景色も無く、8合目あたりだろうか宿泊兼レストハウス「ラバン・ラタ」に到着。4人部屋で2段ベッド。先着の白人の若夫婦?が下段に2人抱き合って寝ていてハローと互いに挨拶。一息ついて、ハウス周辺や暗い夜出発の登山道を少し確認散策する。
ビールの販売も無い夕食を済ませ、早々と就寝。12時頃の夜中に相棒に起こされた。翌日登頂後に即下山する人達が起きているようだが、翌日も泊り、翌翌朝マシラウルートを下山するので、2時に起床とガイドに告げられていた日程を把握せず起こしたようだ。もう一寝し、新婚外人さん達と一緒に起きだし、軽い朝食を済ますと、ガイドがガイド専用宿泊所から来た。
■4日目 ヘッドランプの暗闇も・・・一枚岩盤にドンキーイヤー、ローズピーク等岩塊にご来光暁
山頂アタックだ。真っ暗な中、ヘッドランプとガイドの誘導に身を任せ登るが、周りも見えず石山の登りで、かなりの急途だ。雨後で滑るのか、どこが切れているのか全く見えず、ロープだけ頼りに登って行くが、どれぐらいの人がいるのかも見えない。ようやく最後の名前や番号確認のチェツクポイント「サヤサヤ小屋」に辿りついた。けっこう人が休憩している。ここから少しずつ明るくなり、岩盤の登山道も見えだした。写真で見るドンキーイヤーズピークが見え、ガイドに確認するとイエスという。山頂も間近?急な岩盤が見え、あれが頂上?大変そうだと思ったら、セントジョーンズピークで違うようだ。明るくなり、先にローズピーク山頂が見えだした。岩盤の全体像もわかるようになった。あちこち行ってみたいが、ガイド付きなので勝手な行動はできない。ようやくピークに辿りつき、しばし余韻に浸るも、ガイドに促され下山、周りが見え、滑らない岩盤とわかると後ろ髪を引かれる思いであった。あっという間にラバラタレストハウスに到着。即キナバル公園下山組で賑わっていた。相棒即寝たので、靴を乾かしたり散策していると雨が降り出したので、私も寝たら、すぐ相棒に起こされた。山頂岩盤から雨水が流れ、滝のようだという。寝たばかりで大儀なので私は再び就寝した。
■5日目 研究路だったマシラウルートはランやウツボカズラの数々が
早朝出発。少しガスがかかっていたが天気が良くなりそうだ。マシラウルートの曲がり角に着き、曲がると景色が一遍。ラン等花々でいっぱいの景色となった。体調良く、急階段木道もポンポンと軽やかに走り出すような下山。いろんなウツボカズラや花々を撮影しながら眺めの良い場所で朝食サンドイスッチとなった。またまたリスが現れシャツターチャンス。地衣がいっぱいな木や地面に湿度風土がわかり、このコース選定して良かったとつくづく思う。沢を渡り、また登り、と長い距離を下山し、マシラウ・リゾートという公園内コテージにたどり着いた。昼飯、夕食ともうまい料理で満喫した。
■6日目 樹冠に張り巡らしたキャノピーつり橋体験
今日は、これも楽しみにしていたキャノピーという大木の上空に張り巡らしている吊り橋巡り。期待ほどでなかったが、いい体験だった。
■帰路の空港途中での土産屋とクアラルンプールで、お土産買って成田~新幹線~青森到着となった。