■「白神山地の写真とコメント」・・・まだまだほんの一部・・・また見てね!

 白神岳は、登山口には大きな駐車場、トイレ・休憩所があり、山頂には無人避難小屋、トイレがあります。

 山頂からは、白神山地が一望でき、岩木山、八甲田山、遠くは鳥海山まで見ることもできます。また、直下に日本海・西海岸が見られ、山頂避難小屋等に宿泊すると、日本海に夕陽が沈む光景や岩木山と八甲田山の間からご来光を見ることもできます。写真はご来光でピンクに染まる岩木山で手前が向白神岳です。 

 白神岳の避難小屋は、白神山地が「青秋林道」建設で揺れ動いていた頃の1984年に、登山家・故長谷川恒夫氏が白神岳に来て、ここに避難小屋を建設すべきと提案があり、これに呼応した地元の有志達(私が所属する「白神倶楽部」の前身)が寄付を募り、村役場の支援で山頂に「避難小屋」を翌1985年に建設しました。倶楽部では小屋の木材防腐塗装や清掃等を常時行っていますが、数年前に屋根が台風で剥がれ、横の支柱が折れ、修理維持費がないことから権利放棄したことで、深浦町が補修し皆さんの利用に供しています。白神岳は津軽国定公園でもあり、トイレは青森県が建設管理し、白神倶楽部がボランティアで清掃等を行っています。また登山道も青森県が管理しています。津軽国定公園である「十二湖」、県立自然公園の「暗門の滝」「赤石渓流目くろくまの滝」は遺産前に登録されていたことから管理区分の違いで遺産地域になっていませんが、白神山地の一部です。ぜひ、全体の魅力を味わってください。

 白神山地は、白神岳、天狗岳、太夫峰、高倉森、二ッ森、小岳、真瀬岳、藤里駒ヶ岳より登山道がある山はなく、あとは川・沢歩き、獣道を歩くか、残雪期の登山よりない。

 登山道は誰でもいつでも入れますが、登山者が多いアルプス等の中央の山のような整備はされていません。無人避難小屋も白神岳山頂にしかありません。登山者が少ない道は藪になっていたり標識類も少なく、迷いやすい道もあります。道以外は崖地も多く危険でもあります。天狗岳のような崖ロープ路もあります。

 写真は、向白神岳の山頂手前が崩壊し、岩石が土煙をあげながら転がり落ちる場面を、笹内川をはさみ向かい側の崩山東斜面を仲間とよじ登り写したショットです。(2002年4月)

 白神山地は高度はありませんが急峻な崖地が多く、登山道等を踏み外すと崖地に出ることも多く、木々で覆われ、笹竹は滑りやすく、小さい沢等は草木で覆われ、沢の水音で叫んでも聞こえなくなるなどや雨が降ると急峻な地形から沢や川は一気に水嵩が高くなります。慎重な入山、天候に留意し、早めの撤退等に心がければ、世界遺産となった原生的風景、ブナを中心とする広葉樹林帯、盆栽のような沢風景、急峻な地形による滝の数々、隣接十二湖等自然公園の池沼等に包み込まれ、何度でも訪れたくなるでしょう。

●白神山地の風景

■白神の草花

 「アオモリマンテマ」青森の名が付いた花

 青森県鰺ヶ沢町の燃ケ岳で発見され、白神固有種と思われたが、その後、秋田県の男鹿半島、和賀山塊等でも見つかった。

白神山地では何か所かで見られますが絶滅危惧種で、咲く時期は雪融けすぐなので白神ラインが残雪や雪崩崩壊等で道路閉鎖により入れないことが多い。ナデシコ科なので、ナデシコ似の白い可憐な花です。盗掘問題から絶滅危惧種については場所の公開はしていません。

 野草の種類により、光の必要度合いが違うため、一概に言いませんが、白神山地は樹木で覆われた場所であり、樹木は光を求め枝をいっぱい広げています。光が当たる場所は限られ、沢・川は急峻な地形から水嵩の変化や洪水的流れにより、一部の尾根、斜面、崖地、岩場などの厳しい条件のところに可憐な花が見られます。

 

「シラガミクワガタ」 白神の名が付いた唯一の花です。

 なぜシラカミでなくシラガミと名付けたかはわからない。以前、知床のエゾヒメクワガタやアポイ岳のアポイクワガタを見たことがあるが、花が小さく、色も本種に比べ鮮やかさに欠け、花の大きさも全く違って大きい。紫色の濃淡が鮮やかで本当に美しい花です。

 アオモリマンテマ同様、雪融けとともに崖に咲きます。この写真を撮ったときは、崖と残雪に隙間があり、落ちる何メートルも下に落っこち助からないかもしれない場所でした。その年によっては雪解けが早ければ双眼鏡や大型ズームでやっと見られる感じです。沢は残雪の水で冷たくたどり着くまで大変です。この時は、白神倶楽部故笹森会長がロープを張ってくれたことでやっとこ撮ったもの。絶滅危惧種の貴重な花です。

 八甲田山のような湿地や森林限界を超えた日当たり場所が白神山地では少なく、白神岳山頂等一部の小面積場所に限られるため、高山植物の種類、群生は少ないようです。そのような中で、白神岳山頂稜線には、ニッコウキスゲやイブキトラノオ、チシマフウロ、ゴゼンタチバナ、ハクサンチドリなどの高山植物が見られる数少ない場所です。

いつまでも盗掘等の違反行為等に合わず後世の人達へも見せたいものです。秋のブナを中心とした黄葉の変化も美しい。11月中旬になれば雪が降り、白神ラインなどの林道は11月20日頃から5月末まで閉鎖されます。急峻地形から雪崩等で土砂崩れも多く、5月末開通も復旧状態により遅くなることもあります。西目屋放免からは暗門グリービレッジまでは4月末あたりに道路開通し、「イワウチワ」を見るチャンスです。淡いピンク色の美しい花です。また深浦町の西側は、十二湖が早春の花々で輝き、白神岳は残雪登山の時期となります。 併せて、四季の西海岸植物(津軽国定公園)の散策もおすすめです、海岸線特有の植物や北限・南限植物があり、目を楽しませます。深浦町・行合崎にはニッコウキスゲが群落し、ハマボウフ等の花々が見られます。また、深浦町はエノキ、タブノキ、カラスザンショウなどの北限,南現植物もあり、温泉と合わせのんびり~~~。 

 ★絶滅危惧種であり、「白神山地自然環境保全法」で保護すべき植物としてのエソハナシノブ、トガクシショウマ、コアニチドリ、アオモリマンテマ、ツガルミセバヤ、フガクスズムシソウ、シコタンソウ、リシリシノブ等や「津軽国定公園規制植物」、「自然公園採取許可植物」など、各法で植物名が羅列され、ダブっており、どの法律優先?、どの法規制の花か、また、そこらじゅうの里山にいっぱい咲いている花も規制されており、区分けが難しい。

 ヒバ林に咲く花ヒメホテイランは、津軽半島、下北半島にヒバ林が多く、白神岳や十二湖の津軽国定公園にも一部ある。ダイモンジソウやウメバチソウは沢付近に多く、イワウチワは早春に咲き、八甲田では見られない。岩崎を代表する福寿草は盗掘に合い、数が少なくなっているという。他であまり見かけずここでよく見かける花では、タマガワホトトギス、オニアザミ、量が多いギンリョウソウ、ギンリョウソウモドキ、ダイモンジソウなど。

 

■白神の川・沢・滝  

沢歩きこそ白神山地入山の醍醐味

 白神山地を探訪するには登山道がある山以外は沢歩きをしなければなりません。

 川をジャブジャブ、深いところは腰や胸まで浸かり、水に流されないように踏ん張り向岸に渡る繰り返し(踏ん張って渡る深い、流れの速い場所を避け、また滝壺・深い淵を避けるため)、石ころの上を歩き、大岩、流木等を飛び越え、深い淵や滝は巻道(木や草などつかまりながら歩けそうな斜面)を崖、滝壺に落ちないよう必死で歩いて目的地に行くのです。

 核心部のルート道に入るには森林管理局への事前「入山届出書」が必要です。(概要の項参照)

★私は青森県側の沢より入ったことがありませんが、青森県側では岩木川源流の「大川」とその支流大滝又沢、暗門川とその支流横倉沢、「赤石川」、「追良瀬川」「笹内川」の4河川が核心部の入山届で入れるルートとなっています。

 写真は、「大川」の“岩と木の根”、景勝“タカヒグリ”、“魚止めの滝”、「赤石川」の“ヤナタキ”、「追良瀬川」では最奥地の“白滝”(幻の日暮の滝とも言う)“黒滝”、“緑草河地”、「笹内川」の“向白神崩壊岩石地”、“魚泊の滝”、“滝の上の台風倒木、”幻の露天風呂”(数日のうちに雨で決壊してしまった)、真冬の暗門川、新津軽ダムに沈み見られなくなる目屋ダムの草紅葉、横倉沢の魚止めの滝、大川の深みで飛び込み泳ぎで遊ぶ若者、追良瀬川の中で温泉が沸々となどの写真を下記に紹介します。

■白神の巨樹巨木・森

ブナもいいがカツラも好き 

 白神山地のブナ林は8000年~9000年前に誕生したとされます。広大なブナ林として世界遺産登録されましたが、このカツラは株立ちで写真当時は幹回り22.5m樹高35mで日本一に登録された。推定樹齢500年とされるので戦国時代の誕生となります。今は歯抜け状態で写真当時の姿を見ることができない老木となっています。津軽峠にマザーツリーと呼ばれるブナは推定樹齢400年とされます。尾根、沢筋によっていろんな木が混在しています。

 私は、古木、巨木はなんとも畏敬を感じ好きです。

暗門遊歩道上のボッチのこぶブナ、抱き合っている木、天狗岳のイボ古木、風雪ブナとツル、十二湖のまほろばのブナ、腐りながらもがんばる木、通称“クマゲラの森”と称する二次林のこうおだやかな紅葉、豊かな林の恵み・ナラタケ、マイタケ、クマの爪痕などを紹介します。

■動物・爬虫類・両生類・野鳥


 笹内川のアズマヒキガエル、カナヘビ、アナグマ、櫛石山で死んでいたヒミズ、大川の猿糞に群がる蝶、イチモンジチョウ、きれいな色の蜘蛛、ミヤマクワガタ、大ナメクジ、クロサンショウウオアップ、十二湖のアカショウビン、を紹介します。

■その他のスナップ

 白神山地隣接の津軽国定公園「十二湖」   ~本当は33池・沼・一日巡りで良さを実感~

 十二湖の「日本キャニオン」「冬の青池」、赤石川奥地にある摩須賀岳中腹にある幻の沼「ノロ沼」です。青池は湧水のため真冬でも凍りません。