■白神山地の登山・散策道の案内

(入山にあたって)

白神山地に入山する服装は    ~山、川により違いあり、事故対応・自己責任~

 登山道がある道は、一般ハイキング、トレッキング、登山服装でいいと思います。ただし、中央の山のような山小屋はありません。また、ほとんど携帯電話は通じません。他の人とすれ違わないこともあります。つまり、事故連絡等ができなかったり、僻地のため救助も大変時間がかかります。つまり、常備薬やヘッドランプ、雨具、レスキューシート、非常食などは必携です。

 白神山地の醍醐味は沢歩きです。 沢歩きの足回りで最も多いのがスパイク地下足袋の利用です。沢は、水の中を歩くだけでなく、土の斜面をよじ登ったり、高巻きなどがあるからです。フイルトやゴム底の渓流靴は土斜面だと滑るので危険です。赤石川のような蛇紋岩の多い川はスパイクが新しくないと滑りやすく、渓流靴の方が適し、一概に決めることが難しい。地下足袋は人によって指の股が痛いこと、足指の爪がつま先に触れて痛いこと、石ころの上をつまづいて爪を痛め、後日爪剥がすことも多い。筆者はスパイク地下足袋は合わなくて渓流スパイク靴を履いています。それと、流れが速い川は川底に石も多く、脛を石にぶつけるので脛パット等を付けた方がいい。私のようなシニアには冷たい水も体に悪いので、モンベルの沢用ネオプレーンタイツや手袋、ソックスを利用しています。リュックには、中にゴミ袋を入れ、ゴム紐でしばり、中身を水に濡れないようにしています。杖も流れの速い川で流されないように踏ん張るためや石ころ歩きで転ばないための対策として使っています。白神山地では焚火ができないので、速乾性のある下着、シャツ、着替えが必要です。

 白神岳や二ッ森等の入山者が比較的多い山には登山口に「登山届ノート」が設置されていますが、設置されていない山の方が多いと思ってください。つまり、遭難しても入山状況がわからないことです。誰かに伝えておくか、怪我等の事故の場合も想定した対策を考えておくことが必要です。


沢歩き時の天候には特に注意! 

           ~雨降りはあっという間の水嵩に、逃げ場ないところも多い~

 白神山地の沢は川幅が狭く、急斜面となっている場所が多い。このため、雨が降るとあっという間に増水し、数メートルの高さになるところも多い。急峻で岩盤場所では逃げ場もありません。川はすぐ濁り深さがわからないようになります。また沢の中で大きな石がごろごろと水流に流されて転がり非常に危険です。雨予報の時は絶対に入らないことが鉄則です。万が一の時も高い場所に逃げることです。 


■単独登山時は鈴等を腰に!

 登山の単独行動の場合は、熊に出くわすことがありますので、人がいることを知らせるための鈴や笛、杖で木を叩いたりしながら歩くことをおすすめ致します。 山地内には官公庁の木の大きな立て看板や案内標柱がありますが、よくかじられたり、爪痕があります。ご注意ください。登山にあたって、「八甲田・岩木山・白神山地」ゼンリン地図等の携帯と事前把握をされたいと思います

  (出所:津軽森林管理署「ぶな巨木ふれあいの径」パンフレット)


●登山道がある山・・・・・中央の山の基準でないよ!

■天狗岳 ■太夫峰 ■高倉森 ■小岳 ■藤里駒ヶ岳 ■二ッ森 ■真瀬岳

  登山道として、青森県側では従来から津軽国定公園指定の「白神岳」のほか新たに登山道として整備した「天狗岳」、「高倉森」、「太夫峰」、秋田県側には「真瀬岳」、「二ッ森」、「小岳」、「藤里駒ヶ岳」があります。 

「白神山地ビジターセンター」  http://www.shirakami-visitor.jp  に・高倉森・白神岳・天狗岳・一ツ森自然観察道(太夫峰)地図、登山ルート等概要が案内されています。

東北森林管理局hp「白神 Net wolker」 http://www.shirakami.go.jp/ に、小岳、藤里駒ヶ岳、高倉森等が案内されています。

 (青森県側の山)

白神岳

 「白神岳」は、白神山地では向白神岳(1250m)に次ぐ高さ(1235m)で、白神山地が一望できます。また日本海・西海岸も見られ、山頂稜線は高山植物tが見られます。登山コースは、3つのコースがあり、一般的コースは「マテ山コース」です。「二股コース」は、斜面を横巻きしながら、沢を渡り、急途を登るハードコースです。現在、沢に降りる道が崩れて道がなく、交通止めになっています。十二湖コースはロングコースのため、一般的には日帰りできません。小屋やテントに泊まり、下山コースに使われる場合が多いようです。

 「大崩」は、十二湖~白神岳コースの途中にある崩山の中腹にあります。大崩から十二の池・沼が見えたことから十二湖と名付けられたといわれ、眺めがいいところです。登山口の「青池」は十二湖で最も人気の池です。

  ただし、マテ山登山口と十二湖登山口との交通手段はタクシーより移動手段がないので、車利用の場合はタクシー確保が必要と思います。  (下記図出所:旧岩崎村パンフレット)

※深浦町観光課 0173-74-2111    深浦町観光協会 0173-74-3320    岩崎タクシー0173-77-2131    

 

■「天狗岳」は、白神山地の中央に位置するので、核心地域の山が見られますが、山地一望はできません。登山口の天狗峠から山頂までは、アップダウンが多く、一部崖道(ロープが張ってある)もありますので、十分ご注意ください。下山時もアップダウンのため、余力を残しておく必要があります。登山者数も少なく、携帯等は通じないことも考慮しての行動が必要です。なお、以前使われていた赤石川堰堤からの旧登山道は、奥赤石林道入り口に閉鎖扉が設置されてから車が入れなくなったこともあり、元々利用回数が少なかったこと、現在は全く利用する人はいないことから藪道となり利用できません。

 白神山地を縦断する「白神ライン」は、未舗装の狭いでこぼこ道で曲がりくねっているため、キロ数だけでの時間判断をせず、ゆとりある所要時間とすることが大事です。このため、大型バスは入れる環境になっていません。


■「太夫峰」は、向白神岳への稜線の一つで、入口には大きな木の立て看板がありますが、周りの木で見落とししやすいので、注意が必要です、登山間もなくあるきづらい急階段があります。また、ロープで行き止め表示があり、90度に曲がる窪地場所がありますので注意しながら歩くことが必要です。山頂は狭いですが、向白神岳が間近に迫力ある姿が見られます。この先の向白神岳への道は、笹や木に覆われ、道もわからない状況で、吉ケ峰手前は崖になっており、向白神岳稜線は全く道が無い状態で、以前は山頂手前の静御前に行きましたが、最近は藪がひどく途中水場が無いため、今では行く人もいないと聞きます。

 整備した駐車場は無く、車が数台置ける程度で、手前の細道奥にもありますが、一般にはわからないと思います。


■「高倉森」は、暗門の滝入口の“アクアグリーンビレッジANMIN”と津軽峠をつなぐ山で、津軽峠には、“マザーツリー”と呼ぶブナの大木がり、また、“ぶな巨木ふれあいの径”という散策道ともつながっています。登山道途中には立派なブナの巨木やトチ、ミズナラ等があり、十分白神山地を感じる人気の山です。南の山頂・第二展望所からは岩木山が見え、そこから暗門側に下る道は痩せ尾根の断崖道なのでロープが張ってありますが、そこだけは十分気を付けて登下降されたいと思います。津軽峠までは、定期バスが往来していますので、発着時間を確認しての縦走ができます。


(秋田県側の山)

 ■「小岳」、青森県境に近い奥山で片道2時間ほどで登れる山ですが、山頂からは白神山地が一望できます。奥山なので、登山口に至る素波里湖までの舗装道路とそこからの未舗装林道のアプローチが長く、現在林道は崖崩れで閉鎖中となっています。また、注意点として林道は乗用車以外の車両は乗り入れ禁止となっています。(二ツ井駅から車で90分)


■「藤里駒ヶ岳」は、黒石沢登山口と素波里湖から小岳への林道途中からの樺岱登山口ルートがありますが、一般的には黒石沢からのルート利用で、登山口には田苗代湿原があり、楽しめます。ここも2時間程度で登れ、山頂からは白神山地が一望できます。登山口までの国道から黒石林道経由のアプローチ距離が長いので留意されたいと思います。途中には「岳岱自然観察教育林」があります。

 (二ツ井駅から車で90分、西目屋村から二ツ井町間の舗装道途中から黒石林道に入るので青森県側からも通じる。)


■「二ッ森」へは、話題となった青秋林道を通り、県境ストップ道路の100mほど手前が登山口となります。山頂までは40分程度で登れる山です。昨年登山道の笹等を刈り払いが行われ見通しも良くなり、山頂からは白神山地が一望できます。(八森駅から車で40分)


■「真瀬岳」は、二ッ森に至る青秋林道途中から左の中ノ又林道に入り、登山口には車は数台より止められず、すぐ沢を渡り(登山靴の場合は脱ぐ必要があります)登り口までわかりづらい道になっています。山頂まで2時間ほどで、山頂からは白神山地の秋田県側の一部の山より望めません。このため、ほとんど登山されている方を見かけず、以前は環境省の登山者把握カウンターが取り付けられていましたが、はずされました。


ダウンロード
白神岳登山道
マテ山コース、二股コース、崩山・白神岳(十二湖)コース
白神岳登山道案内CCF20150206.pdf
PDFファイル 2.6 MB
ダウンロード
小岳登山道図
秋田目小岳登山ルート図
小岳登山図CCF20150211.pdf
PDFファイル 935.7 KB
ダウンロード
白神山地の主要の山からの展望図
白神岳、天狗岳、二ッ森、小岳からの山地展望図
白神山地山頂からの展望図CCF20150205.pdf
PDFファイル 1.1 MB
ダウンロード
白神山地内の各河川・沢の名称
各河川の枝沢の名称
白神山地青森県側の各沢の名称CCF20150205.pdf
PDFファイル 1.5 MB
ダウンロード
秋田県側の山・散策道へのアプローチ簡易図
二ツ森、真瀬岳、小岳、駒ヶ岳、岳岱、七座山
秋田側アプローチCCF20150212.pdf
PDFファイル 670.5 KB
ダウンロード
藤里駒ヶ岳簡略コース図
藤里町役場「藤里だより」から転載
藤里駒ヶ岳CCF20150220.pdf
PDFファイル 1.5 MB

●散策道・・・・・十分白神!・・・観光服装・靴じゃ???                                    

■暗門の滝 ■十二湖 ■ぶな巨木ふれあいの径  ■白神の森  ■くろくまの滝       ■奥赤石ブナ遺伝資源保存林 ■岳岱自然観察教育林 ■白神自然観察園


 散策道として、上記があります。


■「暗門の滝」

 県立自然公園で観光ツアー客等、白神山地来訪一番人気です。滝は上から第一の滝、第二の滝、第三の滝と呼ぶようになっています。白神山地は急峻な渓谷であり、滝に至る道は暗門沢に沿った狭い道で、優れた渓谷美ですが、狭くすれ違いのできない道もあります。また一部仮設橋となっているため、大雨で度々流され、通行止めとなることもあります。事前情報の収集や天気予報にご注意ください。川幅が狭いところは雨であっという間に、メートル単位で水位が高くなり、また橋が流されたり、水の中になり渡れなくなったりする場合もあります。そのような時は、川幅が広く崖崩れ恐れがない場所への一時避難等をし、無理をしないこと。アクアグリーンビレッジANMON駐在の案内人等の支援を待つことや指示に従うことが必要です。雨予報の時は入らないことです。雨予報の時は、「ブナ林散策道」や車であれば「巨木ふれあいの径・マザーツリー」観察に切り替えることが必要です。


■「十二湖」

 津軽国定公園に指定され、豊かな森と湖沼のスポットで、崩山の中腹の大崩から12の湖沼が見えたことから名付けられたという。実際は33の池沼があり、ほとんどの観光客は青池までの舗装道路を挑戦館というお土産売店兼駐車場に車を置き、青池までの200mほどの往復か、その上のブナ林を通り沸壷の池を経由し元に戻る1時間弱行程を楽しむのがほとんどです。この2池は、青インクを流したようなきれいな色をしているので人気が高く、これは湧水のため透明度が高く、冬も凍りません。どの池もそれぞれ趣があり、未舗装遊歩道の“長池”“金山の池”“糸畑の池”は人もほとんどいなく、私の好きな池です。夏前には野鳥“アカショウビン”が訪れ、そのオレンジ色の姿を追ったカメラマンがどっと押し寄せ道を塞ぎ、興醒めします。日本キャニオンと併せゆっくり散策することをお勧めいたします。

 ※1704年(江戸時代の宝永元年)iにこの地一帯を襲った大地震で崩山が崩れ「十二湖」が生まれたと言われ、海抜約250mの台地に780haの広さの森と33湖沼がある。  前項に見取り図を掲載しているのでそちらをご覧ください。


ダウンロード
白神山地ビジターセンターガイドマップ
暗門の滝・ブナ散策道、ぶな巨木ふれあいの径、高倉森、天狗岳、遺伝資源保安林観察道、太夫峰
白神ビジターパンフCCF20150209.pdf
PDFファイル 1.4 MB
ダウンロード
暗門・ブナ林散策道観察マップ
暗門の滝入口から散策できる「ブナ林散策道」の観察マップ(白神山地ビジターセンターだより)
暗門ブナ散策道CCF20150210.pdf
PDFファイル 1.5 MB
ダウンロード
暗門  春~夏の花ごよみ
暗門の滝歩道及びブナ林散策道周辺に咲く花の紹介(白神山地ビジターセンターだより)
暗門の花こよみ・ビジターcCCF20150210.pdf
PDFファイル 3.4 MB
ダウンロード
津軽峠付近の「ぶな巨木ふれあいの径・マザーツリー」の図
散策案内図 (津軽森林管理署パンフレット)
ぶな巨木ふれあいの径図CCF20150209.pdf
PDFファイル 1.6 MB
ダウンロード
津軽国定公園「十二湖」散策マップ
「十二湖」は、三十三の湖沼があり、その散策マップ
33湖マップCCF20150205.pdf
PDFファイル 810.2 KB
ダウンロード
暗門の滝、高倉森、ぶなふれあいの径、暗門ブナ散策道
上記散策図(http://www.kumagera.net 提供)
暗門の滝ほか図CCF20150211.pdf
PDFファイル 2.0 MB
ダウンロード
岳岱自然観察教育林、太良渓谷簡略図
藤里町役場「藤里だより」から転載
岳岱、太良渓谷CCF20150220.pdf
PDFファイル 1.4 MB